お知らせ&トピックス
ファミリー・ホスピス便り vol.15
こんにちは、ファミリー・ホスピス株式会社でございます。
本日10月6日は『国際ボランティア貯金の日』
日本が「コロンボ・プラン」に加盟し国際協力援助国となったことにちなんで郵政省が記念日に制定しています。
みなさまは「ゆうちょボランティア貯金」というものをご存知ですか?
通常貯金および通常貯蓄貯金の利子のうち、税引後の20%相当額(1円未満切り捨て)が寄附金になるサービスなんだそうです。
ただ、現在の利子では。。。。と思ってしまう今日この頃なのです。
さて、早速ですが当社が運営しているがん・神経難病の方のためのホスピス住宅での事例をご紹介いたします。
「もう一度、あの場所へ」
T様は80 代の男性。パーキンソン病で闘病中に肺炎を合併し、一時は重篤な状況から回復されました。
面会制限がなく家族との時間をゆっくりと重ねるために昨年からホスピス住宅に入居されました。
T様は政治や文化、人々の生活や価値観が大きく変わった激動の昭和初期にステンレス・鉄・アルミ・銅・樹脂の板金加工及び切削加工工場に就職されました。
その後独立し「お客様と共に考え、お客様と共に創る」をモットーに、ものづくりを通じて、夢や思いをかたちにする製造工場を立ち上げ、日夜問わず働いておられました。
従業員も増え、後進を育てている中、発病なさいました。
ある時ご家族から「コロナが落ち着き数年ぶりにアメリカから帰省する息子様と共に 工場に連れて行ってあげたい。」と外出の希望を承りました。
急なご依頼でじっくりと企画を練る時間はなく、7 月末の暑い中、空調設備のない工場で熱中症等の身体的負担を掛けず、安全・安楽に過ごすことができるように計画を立てました。
そして、外出当日。
連日の猛暑の中、その日は小雨で外気温27 度の過ごしやすい日でした。
介護タクシーの中ではいつものように閉眼していましたが、「工場に着きましたよ!」の掛け声でしっかりと開眼されました。
工場に入り、機械の音、油の匂いを感じた後にはホームでは見たことがない、凛とした表情をなさいました。
また、長らくぶりの再会となった従業員に囲まれ、涙を流されていました。
本来は工場までの外出でしたが、あまりにも喜んでおられたので近くのご自宅へ。
長年過ごしていたリビングの香りや雰囲気で目尻が下がり、奥様、お子様、お孫様に対して固くなった首を動かし、おひとりおひとりの目をしっかりと見つめていました。
そのご様子は、言葉にならなくともしっかりとT様の想いを伝えておられるようでした。
同行した職員は、T様の心血を注がれた地でご家族・お仲間と再会を果たすことで、普段の様子からは想像もつかない笑顔を見ることができ、看護師冥利に尽きました。
これからも利用者様の「もう一度、あの場所へ」への想いに応えることができるようにしていきたいと思います。
エピソード提供:ナーシングホームOASIS北(名古屋市北区)
いかがでしたでしょうか?
当社のホスピス住宅では、ご入居者様に寄り添い自己実現のお手伝いができるように日々取り組んでおります。
今後とも【ファミリー・ホスピス】を何卒よろしくお願いいたします。